チャートの裏側:面白いと感じる人が減る?
待っていた。だが、順位は上がらない。これほど面白い作品が、なぜなのか。「仕掛人・藤枝梅安2」だ。前作同様に、見事な出来栄えを見せた。梅安と彦さんが、京の都に向かう。彦さんが恨みをもつ人物への新たな仕掛け、さらに別の仕掛人がからむ。梅安と彦さんの過去が、背後に黒々と横たわる寸法だ。 2人の連係プレーがいい。あうんの呼吸で、次から次へと難事を乗り越えていく。前作ほどの濃密な関係はないが、言葉や動作ですぐに2人はわかり合う。そうしないと命が危ないということもある。命のやり取りを介し、とくに梅安は強烈な無常感を漂わせていく。 仕掛ける者と標的になる者が、善と悪の世界に色分けされているのではない。こ...