日本映画優秀賞 高橋伴明監督「夜明けまでバス停で」 「若者も年寄りも、もっと怒れ」:第77回毎日映画コンクール
ベテラン高橋伴明監督がぶつけた怒りは、世の中の共感を得て広がっている。監督作「夜明けまでバス停で」は多くの観客を集め、毎日映コンでも日本映画優秀賞である。現代日本のひずみやゆがみを写し取った問題作。ただし、まなじりを決してというのではなく、ひょうひょうと軽やかに。「難しいことは言いたくないんでね」と、伴明監督涼しい顔である。 映画の起点は、2020年11月、東京・幡ケ谷のバス停で路上生活をしていた女性が殺害された事件だった。高橋監督の「光の雨」に出演した板谷由夏が、もう一度一緒にと話を進めていた時に、脚本家の梶原阿貴がこの事件で映画をやりたがっていると伝わってきた。 明けまでバス停...

勝田友巳
2023.2.10