Bucheon International Fantastic Film Festival
「プチョン国際ファンタスティック映画祭」記事件数
偶然にも尹錫悦韓国大統領の来日の翌週、プチョン(富川)国際ファンタスティック映画祭のプログラムディレクター・エレン・キムさんが来日し毎日新聞社を訪問した。同映画祭は昨年から勝田友巳ひとシネマ編集長も参加して友好を深めている。 「同映画祭がアジアの公共としての発展の場」になることを熱望 この映画祭は世界メニエル連盟に加入するアジア唯一の映画祭で、現在アジアのジャンル映画祭をけん引している。運営資金は韓国の韓国映画振興委員会(コフィック)や京畿道、富川市の負担を基に協賛を集め運営している。その予算は日本の映画祭よりはるかに潤沢で、特に今年は富川市制50周年を記念して行われるのでさらに華...
宮脇祐介
2023.3.27
韓国・プチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)には企画マーケットのNAFFが併設されていて、ジャンル映画の作り手発掘、育成に取り組んでいる。映画祭というとアート映画、社会派志向の真面目な作品という印象で、各地の企画マーケットもそうした作品への支援に偏りがちだ。しかし、プチョンが目配りするのはホラーやスリラー、SFなど、必ずしも万人受けはしないものの、熱心なファンがいる分野。若い才能を後押しして、〝アジアのジャンル映画ならプチョン〟の地位を固めようというのだ。 日本の映画界では、強力な原作があるとか人気俳優の出演が決まっているとか、〝釣り〟がないと製作費を集めるのが難しい。しかしNA...
勝田友巳
2022.8.04
韓国の「プチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)」は、ホラーやSF、スリラーなどのジャンル映画ファンにはつとに名高い。日本の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」をお手本に始まったが、今やこの分野ではアジア最大。7月7日の開幕から5日ほどの取材で、韓国映画の勢いを映すような熱気を感じたのだった。 「映画の定義をここから変える」心意気高く 7月7日、プチョン市役所前の広場で開かれた映画祭開会式。シン・チョル・BIFAN執行委員長は、今年から創設された「シリーズ映画賞」を動画配信サービス、ネットフリックスの「イカゲーム」に贈り、壇上でぶち上げた。 「『スター・ウォー...
2022.7.27
欧州連合(EU)各国の最新の話題作、秀作を集めた「EUフィルムデーズ2023」が6月2日、東京・京橋の国立映画アーカイブで開幕する。日本未公開の作品を中心に、なかなか見ることができない国の最新作もそろえたヨーロッパ映画の大規模な特集上映だ。今年は開催20周年の節目となり、昨年に続きEU加盟全27カ国が参加。東京・京都・広島・福岡の4会場を巡回する。今回は昨年加盟候補国となったウクライナの「ルクセンブルク、ルクセンブルク」など2作品を特別上映するのも目玉の一つ。EU加盟前の国の作品を上映するのは極めて珍しい。 世界中の人たちに共通するテーマ 今回のコンセプトは「映画でつながる、ヨーロ...
鈴木隆
PR パンドラ
2023.5.31
映画祭は出会いの場。観客がめったに会えない作り手と交流するのも、楽しみの一つだ。プチョン国際ファンタスティック映画祭で7月10日、ク・ギョファンが登場して舞台あいさつと質疑応答に参加した。 舞台あいさつする(左から)ク・ギョファン、キム・ジヨン、シン・ヒョンビン=2022年7月9日、プチョンファンタスティック国際映画祭 シリーズものが映画でないと言えるのか ク・ギョファンが姿を見せたのは、自身が主演したテレビシリーズ「怪異」の上映終了後。映画祭なのにテレビドラマとは意外な感もあるが、プチョンは今年から、シリーズものに門戸を開いたのだ。 映画祭のシン・チョル執行委員長は、「新しい時...
2022.7.15
新しい才能の発掘、育成も映画祭が重視する役割だ。プチョン国際映画祭も、才能の〝第一発見者〟になろうとアジアの若者たちの背中を押している。日本からも意欲ある作り手が参加した。 ItProject参加の日本映画「夜を越える旅」が凱旋上映 「自分たちの映画祭でデビューした」監督の活躍は、映画祭の評価を高め、その評判で作品と人が集まってくる。若い監督らを集めて集中的なワークショップを行ったり、作品の企画と製作者を結びつけたりする場としても大きな役割を果たしている。プチョンでも「プチョン・インダストリー・ギャザリング(B.I.G)」を開催。さまざまなプログラムを用意して、才能発掘、育成に取り組ん...
2022.7.14
プチョン国際ファンタスティック映画祭は、ホラーやスリラー、SFなどに特化した映画祭。万人受けというよりマニアが熱愛するジャンル映画を、市を挙げて支援する。アジア最大の、ファンタ映画祭として世界中に知られている。今年で26回目、曲折を経ながら続く映画祭の裏側を、シン・チョル執行委員長とキム・ヨンドク・チーフプログラマーに聞いた。 ニッチ狙い ソウルへの対抗意識も ――第26回の今年は、英語訳で「STAY STRANGE」というスローガンを掲げています。日本語にすれば「ヘンでも大丈夫」というところでしょうか。プチョンはどんな映画祭ですか。 キム 韓国では、プサン国際映画祭に次...
ホラー、サスペンス、アクション、ファンタジー……。韓国のプチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)はジャンル映画のお祭りだ。過去2年、コロナ禍でもリアル開催を貫き、今年はコロナ禍前の規模に戻っての通常開催。韓国映画の活気を反映するような元気のいい映画祭、現地からのリポートをお届けしよう。 ジャンル映画で世界に名をはせ 7月7日、午後7時からの開幕式典は、プチョン市役所前の屋外の会場で行われた。午後6時ごろ、ゲストの紹介とレッドカーペットイベントが始まる頃からポツポツと降り出した雨は、やがて土砂降りに。雨よけのテントはあるもののその場しのぎで、スターも監督も、そして観客もプレスも...
2022.7.09