監督: 大森貴弘
「映画すみっコぐらし青い月夜のまほうのコ」記事件数
新規感染者数も減少して経済活動の再開ムードが高まる中、映画興行も10月以降、例年同時期の8~9割となる週が増えている。復興のカギは鑑賞者の変化にある。10月に実施した消費者調査を見てみよう。 全国に住む15~69歳のうち、新型コロナウイルス感染拡大以前は映画館に行っていたが、それ以降ないし直近1年間は行っていない「離脱層」は22%。行かなくなった理由は、「コロナ禍の拡大」「見たい作品がない」が挙げられているが、外出機会、映画鑑賞の習慣、動画配信視聴など、「生活・環境の変化」なども広く挙げられている。 コロナ禍はいつか終わる。今後カギになるのは「見たい作品」。人によってさまざまで、バラエティ...
2021.11.25
土日の推移だけでは見えてこないことがある。この2週間ほど、平日に何回もトップに立つ作品があった。「老後の資金がありません!」だ。年配の観客が多く、その人たちは平日に映画館を訪れるケースが目立つ。高齢層が観客のメインだと、そのようなことは珍しくない。 ただ、本作はやけに平日が強く、最終興行収入で10億円以上が見えてきた。コミカルな中身に、グサッとくるシーンが多い。その描写の数々が、見る者の何気ない日常の営みを刺激してくる。押しつけがましくないので、逆に心に残る。このあたりが平日健闘の理由とみる。 一方で土日となると、ぐんぐん数字を上げてくる作品が、「映画 すみっコぐらし」の第2弾だ。親子連れ...
2021.11.18
驚きの順位だと思う。邦画アニメーションの「映画 すみっコぐらし」の第2作が、ディズニー配給のマーベル娯楽大作「エターナルズ」に次いだ。3日間の興行収入は、前者が2億5000万円、後者が4億2000万円。差があるように見えるが、以下のデータで驚きが説明できる。 公開館は「すみっコ」が184スクリーン、「エターナルズ」が813スクリーンだ。製作費の差はあまりに大きく、比較するのさえためらう。上映時間にもあぜんとする。前者が65分、後者が156分。それが何と、7日の日曜日だけだが、「エターナルズ」を動員数で超えてしまった。 「すみっコ」は、中身から上映時間まで、実にコンパクト、シンプルに作られて...
2021.11.11
アニメーション制作スタジオ・MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品「アリスとテレスのまぼろし工場」(毎日新聞社など製作委員会)が公開されている。 突然起きた製鉄所の爆発により外との接続が遮断され、時までもが止まってしまった町・見伏が舞台の本作。いつか元に戻ったときのために「変わらないこと」を強要される中で、退屈な毎日を過ごす14歳の菊入正宗と佐上睦実、そして野生の狼(おおかみ)のような謎の少女・五実が恋をして、未来へともがく姿を描いている。 映画を見る前に読んだ、脚本・監督を務めた岡田麿里氏が手掛けた原作小説は、少年少女たちの葛藤を通して「生きること」について...
きどみ
PRワーナーブラザース映画、MAPPA
2023.9.22