「ひまわり」 1970年 ビットリオ・デ・シーカ監督
戦争が引き裂いた愛 ウクライナが舞台の映画といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、イタリアの2大スター、ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演の悲しい愛の物語「ひまわり」だろう。大地の隅々まで埋め尽くす黄色いひまわりの風景に目を見張り、ヘンリー・マンシーニの哀感極まる音楽と、戦争によって引き裂かれた男女の愛に涙腺を刺激された方も少なくないのではないか。1970年9月に日本で初公開され、その後もリバイバル、名画座などで愛され続け、50年の時を超え恋愛映画を代表する一本となっている。 帰らない夫を捜してソ連へ 第二次世界大戦下のイタリア。ジョバンナ(ローレン)とアント...

鈴木隆
2022.3.09