映画のミカタ:たとえツボは違っても
映画祭取材などの機会に海外で日本映画を見ると、一緒に見ている観客の反応に戸惑うことがある。特に笑い。「ここで?」という場面で会場が沸いて取り残されることもあれば、「ここでしょ!」というところなのに笑っているのは私だけということも。字幕のせいもあろうが、そもそも文化的にツボが違うのかもしれない。 5月に参加したオンラインイベントでも、三島有紀子監督が反応の違いを話してくれた。毎日新聞社が運営する映画サイト「ひとシネマ」の企画で、三島監督らを招いて日本映画の海外展開について話を聞いたのだ。 「韓国のお客さんは、説明的なセリフが終わると身を乗り出す。日本では説明的なセリフの時にグッと集中する」。...

勝田友巳
2022.6.06