チャートの裏側:戦争を伝えるため今こそ
8月15日を迎えて、今年も改めて思ったことがある。夏興行における邦画の戦争映画が少なかったことだ。特に、大手の映画会社が製作する戦争映画大作は一本もなかった。かつては、夏に多くの観客を想定した戦争大作が公開されたものだ。その機運は今や随分低下した。 戦争大作が夏に限らず、ある程度の数が作られていた時代背景として、作る側と見る側の意識が高かったことが挙げられると思う。両者に、戦争経験者が多くいた。戦争への関心が今とはまるで違った。双方の経験値は、中身と興行面で強烈なインパクトがあったことだろう。 ここで、あえて今、私の別の意味の経験値から言いたいことがある。1967年8月、映画好きな父に連れ...