勝手に2本立て:「気狂いピエロ」ハサミでグサリ!
原作小説が初邦訳 2Kレストア版劇場公開 あの「十一時の悪魔」が、とうとう本邦でも陽の目を見るらしい。いまになって。まさか。信じがたい。そう思ったが、そのまさかである。「十一時の悪魔」といえば、ジャンリュック・ゴダール「気狂いピエロ」(1965年)の原作小説として有名ながら、邦訳がなく、まさに名のみ高くして……という状態だった一冊。 著者は、スタンリー・キューブリック監督作「現金に体を張れ」(56年)の原作者としても知られるライオネル・ホワイト。本書の原題は「Obsession(妄執)」で、「十一時の悪魔」という題は、第二次大戦後にフランスのガリマール社より刊行された「セリノワール(暗黒...
髙橋佑弥
2022.4.10