「私、オルガ・ヘプナロヴァー」
チェコスロバキア史上最後の死刑囚として、1975年に絞首刑に処せられたオルガ・ヘプナロヴァーの伝記映画である。13歳の時に精神安定剤を過剰摂取して自殺未遂を起こしたオルガが、病院で治療を受けたのち、運転手として働き始める。しかし世間になじめず、やるせない孤立感を深めた彼女は、取り返しのつかない行動に出る。 近年は女性の生きづらさを主題にした映画が盛んに作られているが、本作は22歳の若さで8人の命を奪う大量殺人者となった女性の物語。チェコの新人監督トマーシュ・バインレプ、ペトル・カズダは、オルガを苦しめたという父親の虐待や心の病などのエピソードは最小限にとどめ、静的なモノクロームの固定ショット...