才能輩出スペイン製ホラー 幽霊屋敷と時間軸交錯の新趣向「永遠のこどもたち」:謎とスリルのアンソロジー
周知の通り、スペイン映画界は才能あふれるフィルムメーカーをコンスタントに輩出しており、同国のアカデミー賞と呼ばれるゴヤ賞のノミネーションには、毎年優れた作品がずらりと並ぶ。2008年の第22回ゴヤ賞で脚光を浴びたのは、まだ30代前半の青年監督が手がけた長編デビュー作だった。 キーワード「暗闇なんて怖くない」 その作品「永遠のこどもたち」(07年)は、賞レースでは軽んじられがちなホラー映画でありながら、最優秀作品賞を含む14部門にノミネートされ、新人監督賞、脚本賞など7部門の受賞を果たした。監督のJ・A・バヨナはのちにハリウッドに招かれ、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(18年)のメ...

高橋諭治
2023.4.12