「戦艦ポチョムキン」 1925年 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督
映画史に残るオデッサの階段 「戦艦ポチョムキン」なくして今の映画なし。といっていいくらい、重要視されている1本。映画草創期の1920年代、ソ連で「モンタージュ」理論、つまり物語と感情を伝える編集の技術を理論化する動きが起きた。 エイゼンシュテインもその論争に加わった1人で、「戦艦ポチョムキン」はその効果を劇的に実証した作品だ。階段を落ちていく乳母車の場面は、ウクライナ南部の港湾都市、オデッサで撮影された。あの階段、今でも残っているそうだ。しかし海運の拠点であるオデッサは、ロシアの侵攻にさらされている。 「戦艦ポチョムキン」はセルゲイ・エイゼンシュテイン監督が、第1次ロシア革命20周...

勝田友巳
2022.3.09