半世紀隔てた2人の「P・ウィーラー」 「リオ・ブラボー」:勝手に2本立て
気分が沈んだときは、映画に限る。とはいっても、とくに映画が見たいわけではない。いやむしろ、なにもしたくないというのが正直なところだ。喜ばしくない出来事も、あるていど予想できる場合は心の受け身もとれようが、不意に予期せぬ無神経さにさらされると想像以上にこたえることもある。その結果、いつも暇さえあればしているあれやこれやが、手につかない──読書はおろか、いつもあれほど控えようと言い聞かせながら果たせないSNSさえ。そんなとき、重い腰を上げて映画だけは見ることにしている。 久しぶりに見直してみると もちろん、集中などできはしない。映画が始まっても、頭の中はもやが充満している。目は開いているが...
髙橋佑弥
2022.7.03