たかもり みゆき
「バカ塗りの娘」原作「ジャパン・ディグニティ」(産業編集センター刊)
「髙森美由紀」記事件数
昨秋公開された山崎貴監督による「ゴジラ-1.0」の興奮冷めやらぬこの春、アメリカから同作を超えんばかりのモンスター映画がやってきた。ゴジラ70周年×「モンスター・ヴァース」シリーズ10周年作品「ゴジラxコング 新たなる帝国」(2024年4月26日全国公開)である。すでに公開国では驚異的大ヒットを記録している。その魅力はいかなるものか? 「ひとシネマ」編集部の目でご案内しよう。 ◎魅力1◎ゴジラとコングの位置付け 「モンスター・ヴァース」でのゴジラ像は日本版ゴジラ像とは異なる。どこか宗教的なたたずまいを漂わす日本版に対して、「モンスター・ヴァース」版は、比類なき物理的パワーが...
ひとシネマ編集部
PR東宝
2024.4.25
タイトルの「バカ塗り」とは、青森の伝統工芸・津軽塗を指す言葉。完成までに四十八工程あり、バカに塗って、バカに手間暇かけて、バカに丈夫と言われるほど、塗っては研ぐを繰り返す。漆が丁寧に塗り重ねられるように、本作も津軽塗の完成までの工程を丁寧に映し出す。 津軽塗職人を目指す娘、美也子と寡黙な職人の父、清史郎。家族より仕事を優先し続けた清史郎に愛想を尽かして家を出た母、家業を継がず美容師として自由に生きる兄。バラバラになってしまった家族が、美也子のある大きな挑戦によって再び向き合う。つらい時、楽しい時を塗り重ねるように日々を生きる父娘が、津軽塗を通して家族の絆を繋いでいく。 素朴で不器用な23 ...