もりの けいい
映画監督「グルン We are Gurung」(2022年)
2015年のネパール大地震をきっかけにグルン族の村に通うようになった森野継偉監督が、バックパッカーの経験で培った現地に溶け込み寝食を共にするという撮影スタイルで、村の人々の生活や文化、その伝統や慣習の間で揺れるひとりの少女の葛藤を描く。出演者は、そこに生きる人々のみ。撮影までに7年の年月をかけて築いた村の人々との深い関係性が、見る人に深い没入感をもたらす。 ネパールのヒマラヤの奥深く、美しい自然に囲まれたグルン族の村では、まるで一つの大きな家族のようにみんなで助け合いながら、ほぼ全員が農業に従事して暮らしている。今年18歳になる少女ビスヌは、結婚を控えていた。村には結婚相手を親が決めるという...