この1本:「シビル・ウォー アメリカ最後の日」 観客は戦場に没入する
映画の舞台は内戦状態の米国だ。合衆国から離脱した〝西部勢力〟と政府軍が戦い、反乱軍は首都に迫っている。戦場カメラマンのリー(キルステン・ダンスト)と記者のジョエル(ワグネル・モウラ)は、14カ月も取材を受けていない大統領への単独インタビューの特ダネを狙ってワシントンDCへ向かおうとしていた。ベテラン記者、サミー(スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン)とカメラマン志望のジェシー(ケイリー・スピーニー)も同行し、4人は車で首都を目指す。 観客が与えられる情報はこれだけ。内戦に至る経緯や反乱軍の実態などは、登場人物の会話やニュースの断片から推測するしかない。そして車で出発してからは、リーたち...