涙より笑顔 悲しくても前向きな真実の物語「ディア・ファミリー」の新しさ
印象に残るのは泣き顔ではなくて笑った顔 「ディア・ファミリー」は、よく泣く映画だ。出てくる人たちが、たくさん涙を流す。家族の1人が不治の病で助からないのだから、当然ではある。それでもこの映画、印象に残るのは泣き顔ではなくて笑った顔だ。特に、映画の半ばで命が尽きる次女の佳美の笑顔がいい。その死は物語の終点ではなく、むしろ新たな始まりとなる。若い命が失われる悲運に見ている方も泣かされるけれど、見終わると前向きな気分になって、温かい気持ちで席を立つ。〝難病もの〟はたくさん見てきたけれど、こんな映画、なかなかない。 苦闘と挫折の10年 登場する坪井家の人たちは、みなたくましい。映画は...
勝田友巳
PR東宝
2024.6.13