女性差別的クラシック界の実情あらわ 音楽ジャーナリストが驚いた「TAR/ター」の赤裸々さ
ジェンダーの問題で旧態依然とした分野はどこだろうか。クラシック音楽がその上位にあることは確かだ。と言うと、妙に思われるかもしれない。クラシック音楽では女性が大活躍しているではないか、ピアニスト、バイオリニストに華やかな女性奏者が多いし、音楽大学もオーケストラも女性で埋め尽くされている、と。 クラシック音楽界は女性差別の巣窟 それは日本に偏った現象である。たとえば、自他共にクラシック音楽の国と認めるドイツ、オーストリアの音大では男子学生が圧倒的に多いし、世界に冠たるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団はついこの前まで男性団員だけしか入団できなかった。 では日本のクラシック音...
梅津時比古
2023.5.11