特選掘り出し!:ボストン市庁舎 社会の縮図、対話まぶしく
刑務所、動物園、学校、美術館、劇場、図書館など、あらゆる場所に精力的にカメラを向け続けているアメリカのドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン。1930年生まれの彼が新作の題材に選んだのは、自身の出身地でもあるボストンの市庁舎だ。約4時間半という上映時間につい及び腰になったが、始まってしまえば市役所の裏側で繰り広げられる出来事の数々に、あっという間に引き込まれてしまった。 同性カップルの結婚、高齢者やホームレスへの支援、看護師の労働環境の改善など、さまざまな問題に取り組む市役所はまさに現代社会の縮図。市民と建設的な対話を続けようとする職員たちの姿に、いわゆる〝お役所仕事〟とは違う...