この1本:「犯罪都市 THE ROUNDUP」 愛嬌ある巨漢が豪快に
スタローンもシュワルツェネッガーもドウェイン・ジョンソンも、アクションスターはまず肉体ありき。映画の真ん中にその体があって画(え)になることが、第一条件だ。韓国から現れたマ・ドンソク、世界に通用する存在感である。 いわゆる肉体美とはちょっと違う。幅と厚さが同じくらいの上半身、文字通り丸太のような腕、その上に乗ったコワモテにも愛嬌(あいきょう)たっぷりにもなる顔。少年漫画の武骨なギャグ系のヒーロー風で、暴れっぷりの荒唐無稽(むけい)さも漫画のよう。 しかしそれだけでは映画にならない。非現実的な強さを本物らしく見せるのは、韓国映画界のスタッフ力だ。彼の肉体を素材としてフル活用するために技を凝ら...