この1本:「To Leslie トゥ・レスリー」 人間性への信頼、鮮明に
映画の冒頭、レスリーは宝くじで19万ドルを当てて、息子のジェームズ(オーウェン・ティーグ)と狂喜乱舞、幸せの絶頂にいる。それからわずか2分、タイトルクレジットが終わって再登場したレスリーは、どん底に転落。 一文無しで酒浸り、宿を追い出され、6年も会っていなかったジェームズの元に転がり込むと、約束を破って酒は飲む、同居人の金を盗む、愛想を尽かされて故郷に送り返されるが古い知人にも不義理を働いて放り出される。親からも子からも見放され、不遇は全て人のせい、ウソはつくわ言い訳はするわ、自己憐憫(れんびん)の果てにキレて当たり散らす。同情の余地なし。 それでも手を差し伸べる男が現れる。たまたまレスリ...