「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」
1998年に43歳の若さで死去した東ドイツ出身のミュージシャン、ゲアハルト・グンダーマン(アレクサンダー・シェーア)に光を当てた人間ドラマ。炭鉱で働きながら人生の夢や理想を歌ったグンダーマンは、〝東ドイツのボブ・ディラン〟と呼ばれるほど人気を博したが、彼はシュタージ(国家保安省)のスパイでもあった。東西ドイツ統一を挟む二つの時制を行き来し、その実像に迫る。 ある時は激情家のトラブルメーカー、またある時は不器用なロマンチスト。いくつもの表情をのぞかせるグンダーマンとは何者なのか。なぜ彼はスパイになったのか。アンドレアス・ドレーゼン監督は、答えをかみ砕いて描こうとせず、この奇妙なカリスマ性を放つ...