私と映画館:強烈に心に残る「ボレロ」
絶対に映画館の大スクリーンで見るべし! そう思う作品がいくつかある。その一つが、クロード・ルルーシュ監督の「愛と哀しみのボレロ」(1981年)だ。作品との出合いは小学生だった89年1月、昭和天皇の崩御を受けてテレビは自粛モード。そんな時、母がレンタルビデオ店で借りてきた数本の映画の中にこの作品があった。 物語は第二次世界大戦を挟み、30~80年代のパリやベルリン、モスクワなどを舞台に、いくつもの家族の数奇な運命を世代を超えて描いている。親と子を同じ俳優が演じていたこともあり、正直、子どもには難しすぎる内容だった。だた、主要人物の一人を演じたジョルジュ・ドンが、ベジャール振り付けの「ボレロ」を...