「43年後のアイ・ラヴ・ユー」
ロサンゼルス郊外で1人暮らしをしている元演劇評論家のクロード(ブルース・ダーン)。妻亡きあと、悠々自適のリタイア生活を送っている。ある日、目にしたのは、若き日の忘れられない恋人で舞台女優だったリリィ(カロリーヌ・シロル)がアルツハイマー病を患い、施設に入居しているというニュース。再会したいと思ったクロードが選んだ方法は、同じ病を装って施設に潜り込むことだった。 荒唐無稽(むけい)な作戦だが、彼女が好きだったユリの花束をいくつも贈り、ガーシュインの名曲を流し、シェイクスピアの「冬物語」を観劇するなど、失われた記憶を手繰り寄せようとする手法はなかなかにロマンチックだ。昔の恋人との再会がそれぞれの...