この1本:「KCIA 南山の部長たち」 暗殺者、砕け散った理想
1979年10月26日、時の韓国大統領パク・チョンヒが酒宴の席で殺害された。2005年のブラックコメディー「ユゴ 大統領有故」でも描かれたこの衝撃的な暗殺事件を、犯人の中央情報部(KCIA)部長キム・ジェギュの視点で新たに映画化。「タクシー運転手~約束は海を越えて~」「1987、ある闘いの真実」などに続く韓国現代史映画の力作である。 暗殺までの40日間に焦点を絞った物語は、KCIAの元部長パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)が米国議会でパク大統領(イ・ソンミン)の独裁を告発するところから始まる。事態収拾を命じられた現在のKCIA部長キム(イ・ビョンホン)は、渡米してヨンガクに接触するが、大統領...