ヘニック・チャウ

燈火（ネオン）は消えず

香港といえば「100万ドルの夜景」。その夜景を彩っていたのがネオンサインの看板だ。しかし、そのネオンは2010年の建築法等改正以来、20年までに９割が姿を消したという。それでも香港には今も「その灯を消さない」と奮闘するネオン職人たちがいる。 腕の良いガラス製ネオン職人だった夫ビルが亡くなった。妻メイヒョンは彼がやり残した最後のネオンを完成させようと決意。夫の工房に行くと、そこには見知らぬ青年の姿があった。一方、ひとり娘からは、香港を離れて海外へ移住すると打ち明けられる。経済や社会など大きな変貌に向き合う香港に捧げたラブレターのような作品。ラストには、香港の伝統や文化を継承するネオン職人も多数...