特選掘り出し!:「燈火(ネオン)は消えず」 夫婦愛が見せる大人の映画
香港といえば夜の街に輝くネオンサインを思い浮かべる人も多いだろう。そのネオンが消えゆく中で、人の喪失感と失われゆく香港独自の姿を重ねた逸品だ。 腕利きのガラス製ネオン職人だったビル(サイモン・ヤム)が亡くなった。妻メイヒョン(シルビア・チャン)は、彼がやり残した最後のネオンを完成させようと決意。夫の工房に行くと、そこには見知らぬ青年の姿があった。 香港では2010年の建築法等改正以来、20年までに9割のネオンが消えたという。メイヒョンや海外移住を決めた一人娘、夫の弟子の青年は深い孤独の中にいる。一方、回想で挿入される過去の映像には、温かみあるネオンが映し出される。記録映像や写真、コンピュ...