「羊飼いと風船」
チベットの草原で牧畜をしながら暮らす、夫婦と夫の父親、3人の息子という3世代の家族。子供たちが避妊具を風船にして遊ぶいたずらをしたことがきっかけで、妻(ソナム・ワンモ)と夫(ジンバ)の間にずれが生じていく。 牧畜の仕事も伝統を重んじ、仏教の輪廻(りんね)転生の教えを当然のように信じている夫。肉体的にも生活のためにも、妊娠を現実的に考えないわけにはいかない妻。その間に生まれる選択のドラマが広大な景色と共に描かれている。監督は作家としての顔を持ち、これまでも国際映画祭で高い評価を得ているチベット映画界の名匠、ペマ・ツェテン。 監督は一人っ子政策、世代間の価値観の相違、放牧民の今、仏教の教えと女...