「ミュジコフィリア」
京都にある芸大の美術学部に入った朔(井之脇海)。才能があるのに、父や兄へのコンプレックスで音楽を遠ざけていたが、現代音楽のサークルに引き込まれ、即興でピアノを弾く。偶然に聴いた凪(松本穂香)は音色に共感し、朔に思いを寄せ、影響も与えていく。朔の異母兄は、若き天才作曲家で大学院生の大成(山崎育三郎)。生い立ちや音楽をめぐり兄弟で衝突し、大人の思惑にも振り回されつつも、成長していく。原作は、さそうあきらの同名漫画。 青春の一コマとシンクロさせて、「正統な」クラシックと「自由な」現代音楽を対置しながら音楽の本質に迫っていく。視覚と聴覚で音楽史の輪郭をつかめる仕掛けも。オーケストラの演奏や、川に吹く...