「エリザベート 1878」
ヨーロッパの宮廷一の美貌を誇ると言われていたオーストリア皇妃、エリザベート(ビッキー・クリープス)。1877年のクリスマスイブに40歳となった彼女は、容姿の衰えを感じていた。細いウエストをコルセットで締め上げ、食事にも気を使って周囲からの期待に応えようとする日々。しかし自由も刺激もない毎日の中で孤独を深めた彼女は旅に出て、一人の人間としての戦いを始める。 「シシィ」の愛称で親しまれたエリザベートの1年間を切り取った、異色の伝記映画。お飾りのような存在だった彼女の〝革命〟を、クリープスが肉体を通して鮮やかに表現した。長い髪の毛を自ら切るシーンは、自己解放の象徴とも言える。エイジング、ルッキズム...