トオイと正人
原作は、写真家・瀬戸正人の自伝エッセイ『トオイと正人』(第12回新潮学芸賞作)。同じく写真家の小林紀晴が、いつかこの物語を映画にしたいと2016年秋、瀬戸の元を訪ね了承を得た。 タイの東北で生まれ、タイ語しか喋れなかった少年トオイ。8歳になったある日、残留日本兵だったと父と共に福島へ。日本人として生きてゆくことになったトオイは正人となり、初めて四季を経験した。気がつけば、タイ語を喋ることができなくなっていた。正人は言う、言葉を「忘れていたのではなく、仕舞い込まれていただけ」。ふと、60歳を過ぎた正人のなかに、8歳のままの少年トオイがいまも眠りについている気がした。だから、私は正人と共にトオイ...
製作年 2023年 監督:小林紀晴