顔を見せない〝最重要人物〟が主人公と映画を走らせる 「AIR/エア」とあの傑作:勝手に2本立て
もはや厳密な記憶はないが、おそらく中学に入学した頃、必要に迫られて最寄りの総合スーパー内にある靴店で買い求めたローファーに魅了されて以来、度重なる買い換えを繰り返しながら(どこかでモデルチェンジもなされたようで靴底の形状に変化があったが)今日に至るまでずっと同じ靴を履いており、すなわちスニーカーというものに全くといってよいほど縁がないままにこれまで年月を過ごしてきた――とはいえ長い付き合いに起因する愛着や、靴ひもを結ばずに「つっかける」ことができる利点はあっても、それ以上の感情を持ち合わせているわけはなく、要は靴というものに特段の思い入れがないのであるが――私でさえも、ナイキの「エア ジョーダ...
髙橋佑弥
2023.4.17