「七人樂隊」
製作も兼ねるジョニー・トー監督の働きかけで、香港を代表する名匠が集ったオムニバス映画。1950年から未来までを舞台に、15分ほどの七つの物語が紡がれている。 サモ・ハンらしさ全開でカンフーの修業を描く「稽古(けいこ)」から始まり、アン・ホイが校長と若き教師、教え子の交流を温かく見つめる「校長先生」、ジョニー・トーが投資でもうけようとする市民を通して香港の経済を描く「ぼろ儲(もう)け」など、監督の個性が反映された作品がそろい、最後まで飽きさせない。変容していく香港の風景と、どこか時代に取り残されたような中年男の原風景を重ねて深い余韻を残す作品が「道に迷う」。リンゴ・ラムの遺作となった。 すべ...