「花嫁はどこへ?」 インド映画の多様性と独自性と可能性
2001年、インドの村。結婚式を終えた2人の花嫁は同じベールで顔が隠れていて、満員列車の中で入れ違ってしまう。内気で夫に従順なプール(ニターンシー・ゴーエル)、賢明で勝ち気なジャヤ(プラティバー・ランター)。育ちも性格も異なる2人の女性が遭遇した運命のいたずらの結末は――。 年間の製作数、映画館入場客数ともに世界一の映画大国・インドが生んだ愛すべき逸品。ユーモラスな展開の中、カースト社会下の結婚事情や伝統的女性観への懐疑ものぞかせる。プールとジャヤのそれぞれの出発と表情が涙腺を優しく刺激する。 インド映画は「ムトゥ 踊るマハラジャ」のような劇中の歌と踊りが特徴だが、本作にその要素はなく、上...