この1本:「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」 釜山の路地で緩急巧み
カーチェイスは映画の華。スピード感と迫力が、画面を大いにもり立てる。依頼された〝荷物〟を送り届ける運び屋映画が次々と作られるのは、その見せ場を存分に楽しめるからだろう。新しいアイデアを盛り込もうと作り手も腕を振るい、ハズレが少ない。 お国柄も表れる。派手な衝突や爆発で画面がにぎやかな米国流は、スケール感が持ち味。欧州では、石畳の狭い路地を縫って疾走するスリルが強調される。車が何台も潰れるからそれだけで製作費もかかるし、公道での撮影も大がかりで、撮影条件が整わないと作れない。その水準に、韓国も追いついた。緩みのない展開もさることながら、画(え)作りのうまさで一気に見せる。 ペッカン産業の従業...