いいじま かずいち
1952年12月19日 生まれ
小説家、原作:「プロミスト・ランド」(小学館文庫「汝ふたたび故郷へ帰れず」収載)
印象に残るのは泣き顔ではなくて笑った顔 「ディア・ファミリー」は、よく泣く映画だ。出てくる人たちが、たくさん涙を流す。家族の1人が不治の病で助からないのだから、当然ではある。それでもこの映画、印象に残るのは泣き顔ではなくて笑った顔だ。特に、映画の半ばで命が尽きる次女の佳美の笑顔がいい。その死は物語の終点ではなく、むしろ新たな始まりとなる。若い命が失われる悲運に見ている方も泣かされるけれど、見終わると前向きな気分になって、温かい気持ちで席を立つ。〝難病もの〟はたくさん見てきたけれど、こんな映画、なかなかない。 苦闘と挫折の10年 登場する坪井家の人たちは、みなたくましい。映画は...
勝田友巳
PR東宝
2024.6.13
第40回小説現代新人賞を受賞した飯嶋和一の同名小説を原作に、助監督として阪本順治監督作品に多く携わり、本作が商業映画デビューとなる飯島将史がメガホンをとった。主演は、福田村事件(2023年)や 「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」(24年)の杉田雷麟と、「せかいのおきく」「首」(いずれも23年)の寛一郎。美術監督の原田満生が発起人となり、日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が連携して、様々な「良い日」に生きる人々の物語を映画で伝えるYOIHI PROJECTの「せかいのおきく」に続く第2弾作品。 マタギの伝統を受け継ぐ山間の町で、閉鎖的な暮らしに嫌気が差しながらも、流されるままに日...