なぜ「あえて分かりにくく」? 取材記者目線で読み解く東海TVドキュメンタリーの極意 「その鼓動に耳をあてよ」足立拓朗監督
なぜ、次々と課題を示すつくりにしたのだろう――。新型コロナウイルス禍の救命救急センター(ER)を映し出した東海テレビのドキュメンタリー「その鼓動に耳をあてよ」を、記者の目線で見て疑問に思った。私は社会部や生活報道部に在籍し、日々ニュースを報じてきた。その際、問題を分かりやすく読者や視聴者に伝えるべく、提起するテーマを絞るのが常だからだ。しかもナレーションをなくし、テレビ版よりも分かりにくくしたという。「伝えたい」との気持ちと、一見正反対に思える作りになっているようだが……。 第15弾は救命救急センターに密着 映画は「ヤクザと憲法」(2016年)、「さよならテレビ」(20年)とい...
山田麻未
2024.2.15