「サン・セバスチャンへ、ようこそ」 古典映画へのオマージュやパロディーをちりばめ遊び心たっぷり
人生初の小説執筆に取り組んでいる熟年のアメリカ人男性モート(ウォーレス・ショーン)が、映画業界で働く妻スー(ジーナ・ガーション)の付き添いでスペインのサン・セバスチャン国際映画祭に参加することに。夫婦仲が冷えたスーの浮気を疑うモートは、現地の女性医師ジョー(エレナ・アナヤ)に恋心を抱くが……。 ウディ・アレン監督がスペイン・バスク地方の風光明媚(めいび)なリゾート地で撮り上げたロマンチックコメディーだ。悩める主人公が人生の意味を探し求めて珍騒動を繰り広げるというアレン作品ではおなじみの筋立てだが、今回の語り口は振りきったように軽く、深刻さは皆無。自らが愛する古典映画へのオマージュやパロディー...