美術賞 原田哲男「燃えよ剣」 大好きな原作 がんばらしてもらった
池田屋をほぼ原寸大で再現 迫真の殺陣の舞台 映画美術の仕事は通常、スクリーンの中にしか残らない。どんなに立派なセットも、撮影が終わったらバラして撤収が宿命だ。しかし原田哲男が手がけた「燃えよ剣」の池田屋は、滋賀県彦根市に残っている。この作品で毎日映コン美術賞を受賞した。 受賞を記念して保存、というわけではない。元々恒常の時代劇セットとして利用することを想定して造られたのだ。司馬遼太郎の代表作の一つを映画化するのは、原田眞人監督の念願で、山場の池田屋事件はオープンセットでリアルに撮りたいという意向だった。まず池田屋ありきで、映画は始まったのである。 その美術を任されたのが、原田哲男...
ひとシネマ編集部
2022.3.01