特選掘り出し!:「クローブヒッチ・キラー」 揺らぐ日常、少年の不安
連続殺人事件を題材にしているが、直接的な猟奇描写は一切ない。「自分の父親はシリアルキラーかもしれない」という疑念を抱いた16歳の少年の不安をあぶり出す一級の心理サスペンスだ。 巧みな話術でサプライズ 設定からして興味深い。舞台となるのは、キリスト教が根づいた米ケンタッキー州の小さな町。主人公タイラー(チャーリー・プラマー)は、ボランティア活動にも参加する模範的な少年だ。地域のリーダー的な存在の父親ドン(ディラン・マクダーモット)との仲も良好だが、彼こそは10年前に地元を震撼(しんかん)させたクローブヒッチ・キラー(巻き結び殺人鬼)なのではないかという疑いが浮上。信仰と絆を重んじる家族、保...