特選掘り出し!:「三度目の、正直」 常識を突き崩す一撃
春(川村りら)はパートナー、宗一朗の連れ子が家を出て、喪失感にとらわれる。里親になりたいと相談すると、反対されるばかりか好きな人ができたと告げられた。ある時倒れていた記憶喪失の青年を連れ帰り、流産した子に付けるはずだった名前、生人(なると)と呼んで一緒に暮らすと宣言する。弟の毅や母親、本人の反対すら押し切って、春は母親代わりとなる。 人物造形が独特だ。みな身勝手。でも物分かりがよい。ワガママだが他者は尊重する個人主義。一方的に母親を演じる春、突然現れて生人の父親と名乗る男。ラッパーを夢みる毅は、妻の美香子の支援を当然と考えているようだし、美香子は本音を語らないまま精神のバランスを崩してゆく。...