冲方丁「骨灰」 ある「儀式」の禁忌を侵してしまう行動で一家が忌まわしい怪異に襲われる!
「ミッドサマー」、「呪詛」、「女神の継承」――。近年、恐るべき儀式・祭礼が登場する海外のホラー映画が話題になりました。非日常的な所作の美しさに魅せられているうちに、逃げ場がなくなる。そして、失敗したときにはおぞましい怪異が襲い来る――そんな儀式が、日本で、それも大都会の地下で行われていたとしたら……。冲方丁さんの最新小説にして初の長編ホラー「骨灰」は、こうした異境の恐怖を圧倒的な筆力で東京に現出させた大作ホラーです。 物語の舞台は2015年の渋谷。大手デベロッパーのIR部で危機管理担当チームに所属する松永光弘は、自社が手掛ける高層ビルの建設現場に関する不穏なツイートの真偽を確かめるため、現...
宮本貴史
2023.3.07