Filippo Meneghetti
監督/脚本「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」(2019年)
南仏モンペリエのアパルトマンの最上階で、向かい合う部屋に暮らすニナ(バルバラ・スコバ)とマドレーヌ(マルティーヌ・シュバリエ)。2人は長年ひそかに愛し合ってきた恋人同士で、部屋を売ってローマへ移住することを考えていた。しかし、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えることができず、突然脳卒中で倒れてしまう。 女性同士の高齢カップルが愛を貫き通す姿に、スリリングな展開を交えて描いた。無理解を象徴するような部屋のドアと開閉音、隔絶された設定も効果的。冒頭の少女2人の映像がしっくりとなじんでいないのが気になった。2人が愛を育んできた場所が部屋から出て解放されるかと思いきや、再び元に戻ってしまう描写に、同...
2022.4.15
同性愛、高齢化社会 今日的問題はらむドラマ 第46回仏セザール賞で新人監督賞を受賞し、新人監督ながら、第93回アカデミー賞フランス代表に選出される快挙となったフィリッポ・メネゲッティ監督の「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」(東京・シネスイッチ銀座ほかで公開中)。70代のふたりの女性の、長い間秘密にしてきたセクシュアリティーと決断を描く、美しくも繊細な感情のドラマは、同性愛や高齢化社会といった社会問題をはらむ今日的な作品でもある。 主役ニナを演じたのはカンヌ国際映画祭女優賞を受賞した「ローザ・ルクセンブルク」(1985年)や「ハンナ・アーレント」(2012年)で知られるドイツ出身のバルバラ・...
立田敦子
2022.4.11
南仏モンペリエの街を見渡すアパルトマンの最上階。向かい合うお互いの部屋を行き来して暮らすニナとマドレーヌは、実は、長年ひそかに愛し合ってきた恋人同士だ。ふたりはアパートを売ったお金で、ローマに移住しようと計画するが、その矢先、マドレーヌに悲劇が襲いかかる――。 © PAPRIKA FILMS / TARANTULA / ARTÉMIS PRODUCTIONS - 2019