ミッドナイト・トラベラー 遠い祖国、さまよう家族
米軍撤退後のアフガニスタンは混迷が続く。このドキュメンタリーは、2015年にタリバンから死刑宣告を受けたハッサン・ファジリ監督が、妻ファティマと2人の娘を連れて国を逃れ、ヨーロッパに到着するまでの軌跡を記録した。ファジリ監督は自身のスマートフォンで、3年、5600㌔に及ぶ脱出行を撮り続けた。 タジキスタンからイラン、トルコと移動するうちに、金をだまし取られ、キャンプの劣悪な環境に苦しみ、難民を差別する住民から暴力を受ける。幼い娘と荒野で、森で野宿しながら前へ進む。セルビアでは1年以上出国を待った。 カメラは時に家族のいら立ちを映し出すものの、非日常の中の日常や美しい自然の情景を詩情と共に捉...