やまだ まさふみ
プロデューサー「世界は僕らに気づかない」「レッドブリッジ」「レッドブリッジ ビギニング」「DIVOC-12」「凪の海」
印象に残るのは泣き顔ではなくて笑った顔 「ディア・ファミリー」は、よく泣く映画だ。出てくる人たちが、たくさん涙を流す。家族の1人が不治の病で助からないのだから、当然ではある。それでもこの映画、印象に残るのは泣き顔ではなくて笑った顔だ。特に、映画の半ばで命が尽きる次女の佳美の笑顔がいい。その死は物語の終点ではなく、むしろ新たな始まりとなる。若い命が失われる悲運に見ている方も泣かされるけれど、見終わると前向きな気分になって、温かい気持ちで席を立つ。〝難病もの〟はたくさん見てきたけれど、こんな映画、なかなかない。 苦闘と挫折の10年 登場する坪井家の人たちは、みなたくましい。映画は...
勝田友巳
PR東宝
2024.6.13
永井荷風が1931年に発表した同名小説を原案に、小説の普遍性を踏襲しながらコロナ禍の渋谷に舞台を移し、パパ活で自分の体目当てにしか考えていない男たちを相手に、奔放さと逞しさを持って生き抜こうとする女性たちの青春と友情を描く。監督は、「なん・なんだ」(2022年)や「蒲団」(24年)を手がけ、三島有紀子監督の「一月の声に歓びを刻め」(24年)のプロデュースを務めた山嵜晋平。「ろんぐ・ぐっどばい 探偵古井栗之助」(17年)や「なん・なんだ」、「花腐し」(23年)の中野太が脚本を務めた。 キャバクラで働いていた琴音(高橋ユキノ)は、コロナ禍で仕事もお金もなくなり、行き場を失っていた。そんな時、知り...
監督・脚本は、初監督した「あみこ」(2017年)で、PFFアワードで観客賞を受賞した山中瑶子。「由宇子の天秤」(21年)、「サマーフィルムにのって」(20年)で数々の映画賞の新人賞を総なめにした河合優実が主演する。第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞。 世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ(河合優実)。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。 ©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会