この1本:「ファミリア」 ゴツゴツと生身の共生
新年のおとそ気分に、こんな映画でカツをいれるのもいいかもしれない。日本の今を織り込んだ社会派ドラマだ。 誠治(役所広司)は片田舎で小さな窯を持つ、1人暮らしの陶器職人。息子の学(吉沢亮)が、海外の赴任地から妻ナディアと帰国する。一方、近隣のブラジル移民コミュニティーでは、マルコス(サガエルカス)が日本人の半グレ集団とトラブルを起こし、ブラジル人を憎悪するリーダーの海斗(MIYAVI)に追われていた。ある日マルコスが誠治の元に逃げ込んできたことから、ブラジル人との交流が始まった。 地方の小さな共同体も、世界と地続きだ。マルコスは移民に冷たい日本社会に反発している。海斗は彼らを容赦なく攻撃し排...