チャートの裏側:年を重ねた五郎の新天地
外食の時、料理の味をかみ締めながら、口の中で何事かつぶやく。冗談ではなく、時々あるのだ。あるテレビドラマの影響である。その映画版「劇映画 孤独のグルメ」がヒットスタートを切った。休日を挟んだ4日間で、興行収入3億3000万円を記録。10億円超えも見えた。 今さらだが、ドラマ「孤独のグルメ」は、松重豊演じる井之頭五郎が仕事で出掛けた先で外食を堪能する話だ。ドラマではあるが、人間関係は極力抑えられ、彼が食べるシーンに見せ場がある。長い人気を誇るのは、ハードボイルド調とも言っていい五郎の食のスタイルにある。 国民的、否、世界的な健康志向の中、五郎は一人黙々と、体が欲する料理に食らいつく。健康志向...