Gianfranco ROSI
1964年生まれ。「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」(2013年)でベネチア国際映画祭金獅子賞、「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」(16年)でベルリン国際映画祭金熊賞。
第266代ローマ教皇フランシスコが世界各地を旅する姿を描いたドキュメンタリー映画です。アルゼンチン出身の初めての教皇として話題になった人ですね。教皇に選ばれてから 9年の間、37回旅に出て、歴訪したところは53カ国に上るとのこと。世界各地をめぐる教皇の姿を捉えたアーカイブ映像を集め、そのままつづりあわせたのがこの映画です。 フランシスコ教皇は ホルヘ・マリオ・ベルゴリオとしてブエノスアイレスに生まれ、イエズス会に入り、司祭、司教、さらにブエノスアイレス枢機卿に任ぜられました。教会組織の重鎮というだけじゃありません。貧しい地域のなかに分け入って行き、人々と出会い、その話を聞くことが...
藤原帰一
2023.9.29
ジャンフランコ・ロージ監督が3年以上をかけて、イラクやシリア、レバノン、クルド人居住地域など中東で撮影したドキュメンタリー。20世紀に国境が引き直され、現在も紛争が続く地域だ。ロージ監督は紛争そのものを映すことなく、説明も加えず、そこにある人間の営みを淡々と記録する。しかしその映像の連なりから、豊かで深い声が聞こえてくるのである。 廃虚を歩き回り拷問で殺された息子の死を嘆く母親、草原で歩哨に立つ女性兵士、精神科病棟で紛争と混乱の歴史が題材の演劇を稽古(けいこ)する患者たち。川で釣りをし、広野で狩りをする少年。施設に集められた子供たちがイスラム過激派組織(ISIS)による弾圧への恐怖を語り、凄...
2022.2.17
ジャンフランコ・ロージ監督最新作。2013年から9年間、37回の旅、53か国を訪れた教皇の旅の膨大な記録映像と、撮りおろし映像を交えながら紡いだドキュメンタリー。貧困、紛争などさまざまな問題を抱える世界の片隅で生活する市井の人々の姿が教皇の旅を通して描き出される。 © 2022 21Uno Film srl Stemal Entertainment srl