中毒性のあるバッドテイスト 映画評「ニューオーダー」
ミヒャエル・ハネケとかラース・フォン・トリアーとかの映画に、こんなものを見せて何が言いたいのか、と怒る人にはお勧めしない。ピエル・パオロ・パゾリーニの映画を見て、不愉快だと感じる人もやめた方がいい。でも、そんな監督たちが好き、後味の悪さも味のウチ、真実は苦いと心得る人に、「ニューオーダー」は絶対受ける。いま挙げた監督を知らないという人たちも、物は試しでぜひどうぞ。ただし、それなりの心構えをしたうえで。こんな映画を上映してくれるからこそ、ミニシアターに感謝したい。 格差社会の果てに待つディストピアの苦い真実 ディストピア映画は数あれど、これは強烈。予想を裏切られっぱなし。しか...
勝田友巳
2022.6.04