「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」
2017年に89歳でこの世を去ったフランスの政治家シモーヌ・ベイユの伝記映画だ。1974年に厚生大臣として中絶合法化を成し遂げ、79年には女性初の欧州議会議長に就任。さらに刑務所の環境改善、エイズ患者への支援など、女性や弱者の人権を守ることに尽力したベイユの軌跡をたどる。時代ごとにベイユを演じ分けたのは、エルザ・ジルベルスタインとレベッカ・マルデール。 ベイユが打ち立てた数々の功績と、女優陣の熱演から伝わってくる彼女の信念の強さに驚くばかり。その半面、ホロコーストという悲劇的な原体験を持つユダヤ人の彼女は、妻であり母親でもあった。そんなベイユの公私両面に光を当てながら、幼少期から晩年までのエ...