パンケーキを毒見する
菅義偉首相を真っ向から批判する政治ドキュメンタリーだ。「新聞記者」などの河村光庸プロデューサーが、政治とメディアへの怒りをぶちまけた。観客と社会を「このままでいいのか」と挑発し、おとなしい日本映画界にも揺さぶりをかける。米国のマイケル・ムーア監督ばりの勢いである。 首相の政治的来歴をたどり、後輩の政治家や評論家の証言でその資質を分析して素顔に迫る。反菅勢力に批判させ、学術会議の人事をめぐるトンチンカンな国会答弁を、上西充子法政大教授が実況解説。省庁のナンバー2を集めて側近とした人心掌握術も図解する。 もっとも、内容は既に報道されたことの総ざらえで新味はなく、テレビのバラエティー番組的な風刺...